おしゃべり
86歳のおばあさんにインタビューをしていたら無駄なおしゃべりの方が長くなってしまった。
この仕事の楽しいところは、知らない人の話を聞けることだ。
つい、戦前の話しになり、戦後の話になった。
僕は戦争を知らない世代であり、戦後の混乱期も知らない。知らないけれど見たように話ができる。
記憶で話をするわけではない。
その人の世界にちょっとだけお邪魔する。
人間の物語であるのだから、想像できる。アリの世界だって想像する人がいるくらいだから。
それに、想像して描いた世界の方が実際の体験や経験よりリアルであることだってある。
おばあさんの物語は、ずっと続いている。若い頃があり今があるのではない。生まれてから今までの人生はずうっと流れている。つながっている。
だから、昔の話は今の話であり、今の話は昔のことだ。
それが分かれば、何を話したいのか、何を聴いてほしいのか、ちょっとだけ分かるような気がする。
目が輝く。
それは、昔を懐かしんでいるのではなく、明日を夢見ているのだと思う。






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