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2014年4月 6日 (日曜日)

絶望する希望

他人に期待しないタモリは何に期待しているのか?
絶望大王と呼ばれるタモリは確かに淡々と仕事をこなしているように見える。
番組が終わることもあり3月は毎日のようにチェックした。
すると、出演者がどんなにはしゃいでいてもタモリは同じペースである。そのノリも、自分のペースを守り一緒に加わることがない。つまり、どこか冷めている。
普通ではありえない司会者である。
それでも受け入れられるているのは彼の人間性だろうことは出演者の話から想像できる。

タモリの芸はどこか人を裏切る。観客は裏切られことを期待する。

それは久米宏の芸に似ている。久米の喋りは芸と言えるかは別として。久米は人を裏切ることで人気を出していた、と思っていた。

事件が起きた時、司会者がどう反応するか気になると同時に、司会者には関係なく番組を楽しめる。
受け身の番組のようにみえて、タモリや久米がいることで何が起きるのか分からないところが魅力である。だから、何が起こるかわかる番組になったら視聴率は落ちている。

当然、好き嫌いが分かれる。

嫌われることを怖がらないところがまた凄い。

しかし、歳を取ると毒を出すのも疲れる。

そんなことより彼らは他人に何を期待しているかである。
番組をずっとみていて分かったことは、何も期待していないということである。
若手を育てようとか、番組を良くしようとかいう態度を全く感じない。

そんなことは、誰かがすることであると割り切っている。

他人に期待することはなく、自分に与えられた仕事をこなす、それだけを考えている。
そうでなければ、何十年も同じことはできない。

タモリは、自分の周りの小さな世界にしか興味がないように振る舞う。
それは、サラリーマンの小さな楽しみであるように見える。
10万馬力のアトムがマクドナルドでバイトしているようなものだ。

何かするんじゃないかと思わせて、何もしない。
何か期待しているんじゃないかと思わせて、何も期待していない。

そこには絶望だけが残る。
夢ばかり見ようとしているこの社会にあって絶望は悪のようである。しかし、現実は絶望に近い。
だからこそタモリは、俺に期待するな、あとは自分で考えろと突き放す。
かれは、笑ってはいない。
むしろ、その表情はいつも不満でいっぱいのように見える。


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