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2013年5月15日 (水曜日)

病気ってなんだろう

永さん(仮名)は、病院から退院する。

しかし、病気が治ったから退院するのではない。

そもそも入院した原因が病気であったどうか、そこが何ともはっきりしない。はっきりしなくても症状によって入院が必要であると判断されることがある。

病気ってなんだろう。

広辞苑には、「生物の全身または一部に生理状態の異常を来たし、正常の機能が営めず、諸種の苦痛を訴える現象」とある。

つまり、何らかの身体症状があり、それに伴い苦痛などの生活に対する支障がある状態である。

そうなると、同じような症状でも、ある人は生活に支障があり、ある人はない場合、支障がある人は病気であるが、それを感じない人は病気でないということになる。

精神性の病気の場合この幅が大きい。

同じようなストレスでも、ある人には苦痛であるが、ある人にはそうでもないからだ。

永さんの場合、本人には自覚的な生活の支障がなかった。つまり、本人は病気という自覚を持てない状態である。

しかし、それを医療というスタンスで客観的に見た場合、生活に支障ありと判断し、病名を付けた。病名がつくと、医療社会では病気である。

だから、永さんは、病気でもないのに入院させられ、病院ではそれを治せないから退院すると理解している。

そして、そうした病識以上に大きな問題が、失われた時間である。

身体機能はリハビリにより回復する可能性はあるが、入院していた時間は取り戻せない。生活力を身に着けることはできても、時間だけは取り戻せない。

病院からの退院はゴールではない。

ただ、今まで動き出すことができなかった人生が少しだけ動き出した。

その動きを見つめていきたい。一緒にね。

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