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2013年4月28日 (日曜日)

うなぎ

今村昌平が2度目に撮ったパルム・ドール作品。

妻の浮気を知らせる手紙を読んだ男が、その現場を目撃し妻を殺す。8年後出所した男は、人間関係がうまく結べず、うなぎと話をするようになる。

男は、もともと対人関係に問題を抱えていたのではないだろうか。そう考えると、うなぎと会話する場面も納得できる。

他人は好ましい反応や行動をとるとは限らない。むしを自分の期待とは反する行動をとりがちである。でも、うなぎは黙ってにょろにょろしている。

そのことに意外性を感じて、面白いと思うか不快と感じるかで、私たちの行動は変わる。

だって、「妻の浮気は誰が見ても問題だろう」という声に、男の刑務所仲間(柄本明)はこう答える「お前がもう少し妻を楽しませれば良かったんだよ」(というようなことを)。

刑務所仲間の声は、男の内面の声である。さらに云うと、妻を告白する手紙も男の声だったのかもしれない。

つまり、対人関係がうまく結べない、妻とうまく性的関係が結べない男の物語だったのかもしれない。

しかし、ここからが面白い。刑務所に入る前の男は自分を抑制すること、コントロールすることばかりを考えているつまらない奴だった。

しかし、刑務所から出た男は、心の声を抱えながらどんどん自分を解放していく。

最期には、自分の子どもでもない女の子どもを育てると言い出した。

そんな情熱があれば、妻を殺さずにすんだのに、でも、そううまくはいかないんですよね。

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