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2012年11月 7日 (水曜日)

中年の危機

「屋根裏部屋のマリアたち」

1960年代のフランス・パリの物語。

1960年代は、フランコ将軍の圧政がスペインで続き、多くの移民がパリにも流れ込んできた。

裕福な資産家の主人公のジャンの家にもマリアというスペイン人が働くことになる。その働きはフランス人のメイドとは比較できないほど素晴らしく、そして、自分たちの文化を大切にした。

マリアは明るく魅力的。そして人生を謳歌するスペイン人の家政婦たちとジャンとの交流が始まる。初めは、その劣悪な生活に同情するジャンだったが、次第に、彼女らのもつ魅力の虜になり、そしてマリアの魅力にも引かれ始める。

ジャンの妻は、夫の行動を疑い、ジャンは家を出ていく。

そして彼は、家政婦たちが暮らす屋根裏部屋で暮らし始め、やっと自分の時間と生活を取り戻す。

(自分を取り戻すと同時に、生活は破たんしてしまうんだけどね)

これは、中年の危機の映画だ。

人間には誰でも、危機的な時期というものがある。仕事も順調にこなしていたジャンは、いい家庭を築いてきたと自負してきたにもかかわらず、ふとしたきっかけで、すべてのことが空しく感じる。

これまでの人生でやってきたことの意味が失われ、自分には価値がない無能の存在のように思えてくる。

それに比べ、スペインから来た女性たちはなんと人生を楽しんでいるか。また、マリアの笑顔は自分が失ってきてしまったものをすべて持っているように感じてしまう。

もう、目の前が真っ暗だ。

こうした中年の危機は、カール・ロジャーズにもやってきた。

彼は、自分のクライエント(女性)との関係にまきこまれ、数か月すべての仕事を放りだして、逃げ出してしまった。

そして、こんなことまで言っている。

「私のしたことを好きな人はいても、私自信を好きになってくれる人は誰もいなかった。私は愛するに値しない人間で、実は劣っているのに前面に立たされていた」と。

あの、ロジャーズでさえ、中年の危機の際には、こうなってしまうのだから、僕が、自分の何の価値もないと感じてもちっともおかしくない。

といっても、魅力的な女性が現れるのを待っているうちに、中年はさっと過ぎてしまう。

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