みにくい あひるの こ
アンデルセンの「みにくい あひるの こ」を読んでいる。
小学1年生向けの本。監修は川端康成だ。
アヒルの子が生まれた。何匹かのアヒルの中に、みにくいアヒルの子がいた。そう書いてある。
でも、よく考えてみると、アヒルは自分の姿が見えない。人の姿は見えるけれど、自分の姿は見えない。
それなのに、どうして一匹のアヒルがみにくいと分かったのだろう。
それに、生まれたばかりの子アヒルに、美意識があったとも思えない。
つまり、この物語は、アヒルのお母さんの目線で語られている。
お母さんアヒルが子どもを産んだ。その中にどうしても受け入れられない子どもがいた。そう考えると理解できる。
だって、みにくいアヒルだって自分の子ならかわいいと感じるだろうに、この後、子アヒルが家出をしても、母アヒルは探そうともしない。
子アヒルは、養子に出される(たぶん)。おばあさんに拾われて家に連れていかれる。
しかし、そこにいた猫やめんどりからもいじめられる。
つまり、養子に出されたものの、うまくいかず、その家を飛び出す子アヒル。まったくかわいそうである。
家を出た子アヒルは言う「おねがい おともだちになってください」と。
でも誰も振り向いてもくれない。
その後、何年も苦労を重ね、子アヒルは大人になる。
気がついたら、きれいにな白鳥になっていた。
ここで、母親はどこに行ったのか?
きっと、黙って水草の陰から見ていたのだろう。
どうしても受け入れられない子どもでもかわいい。だから、ずっと見守っていた。
だって、自分の子が白鳥になると分かっていたからね。
| 固定リンク
« 人生の意味 | トップページ | 奪われる大地、東北 »
「あいまいの知」カテゴリの記事
- エアギターはしんどい(2018.02.22)
- 歳を取っても苦労がなくならない人生って(2018.01.20)
- 移民がいない街(2017.12.28)
- 見つめるようで 見られている(2017.12.26)
- 忘れること(2017.10.14)
コメント