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2012年7月26日 (木曜日)

オレンジと太陽

「オレンジと太陽」2010年イギリス:ジム・ローチ監督

イギリスは長年にわたり児童移民を進め、1930年代から1970年までに英連邦国に13万人もの子どもたちを送り続けていた。

映画では、オーストラリアに渡った子どもたちの母親を探す話であるが、オーストラリア以外にも、カナダ、ニュージーランド、南アフリカなどにも子どもが移民として渡っている。

移民は国策であり、国家や教会、さまざまな団体が関与していることが明らかになった。

子どもたちは、かの国の養護施設で暮らし、児童労働をさせられ、虐待を受ける者も多かった。

原作はマーガレット・ハンフリーズ。彼女はソーシャルワーカーであり、映画は彼女の視点で物語が語られている。

物語は、子どものころに養子に出された大人たちのピアグループの会合で始まる。グループのコーディネーターをしているマーガレットのところに一人の女性が現れ、「自分は子どものころに移民としてオーストラリアに送られた。親の顔も知らない。母親を探してほしい」と依頼を受ける。

話を信じなかったマーガレットだったが、次第にその事実と、ことの大きさを知ることになる。

ソーシャルワーカーとしてマーガレットが凄いと思うシーンがある。大事な話をするときに、ホテルの部屋を選ぶシーンだ。

クライアントの気持ちを大切にし、人と環境の相互作用考えたシチュエーションを作ろうとホテルの部屋をリクエストする。何度もリクエストをする。

最終的に、窓から海が見える部屋を選び、そこにクライエントを通す。

話し合いの成果は、部屋に入ってきてクライアントが海を見た瞬間に決まっているようだった。この演出はよくできている。

また、マーガレットを信用しない元児童移民の子どもと(今はいい大人になっている)の交流もよくできている。子どものころの自分を受け入れられない、自分を許せないという課題は、たぶんマーガレットも感じていたのだろうと想像する。

彼の成長とソーシャルワーカーの成長をリンクさせている。

クライエントの成長はソーシャルワーカーの成長なくしてはない。また、援助関係を考える際には、大きくまきこまれ、その後、その意味を解釈することが重要である。

この辺の演出はよくできていた。

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