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2010年3月 6日 (土曜日)

動かない

興福寺の国宝館を訪ねた。

ライティングや展示の工夫により、阿修羅像をはじめ、仏像が生き生きと語りかけてくる。

仏像は動かない。

見るものが動く。

どちらが動くのかは関係がある。

動かないものの隣では、自由に動ける関係が生まれる。

仏像は、私を見ない。何も見ていないような眼差しをしている。それだけに、見るものは自由に見ることができる。

動きを止め、そのもの自体が語りかけるものは身の回りに沢山ある。あるのに見ていないのは、見る目がないからだとは分かっている。

私が止まってしまうと、見られてしまう怖さがある。

仏像は芯に心があるから見られる力を秘めているが、心が薄い僕は、見られることを恐れて動いてしまう。

そして、つまずく。

止まることもできないのなら、ゆっくりとしたペースで歩くしかないのか。

昨日、Aさんに会いに病院に行った。

Aさんは、あまり動かない。

僕もじっとしている。

Aさんの、右の腕から感じられるものを僕の左の腕で感じようと、呼吸を合わせる。

そうしたら、「どうしたらいいの」と聞かれた。

その言葉は、僕の言葉だったかもしれない。

そう感じた。

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