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2009年5月 6日 (水曜日)

やればできるさ

イタリア映画際「やればできるさ」

精神病院から出された組合員の組合長になったロッソは、「やればできるさ」と、組合員の収入を増やすために奮闘する。

映画の背景となっているイタリアでは、1978年、精神病院の閉鎖と地域医療の実現を目指す180号法(精神科医の名前をとってバザリア法という)が制定された。

バザリアは、1961年、ゴリツイアの精神科病院の院長に就任し、病院の現実を目にし、その悲惨な現状に驚く。身体拘束、電気ショック療法は当たり前であり、病人のためではなく社会のために病人を隔離する政策を取っていた。

1971年にトリエステの病院の院長になったバザリアは、開放病棟の中でのレクリエーション、行動療法に力を入れる。さらに、患者を社会に解放し、治療は地域社会の精神衛生センターで行うことを実践する。さらに、1977年には病院を閉鎖する。

その翌年、バザリア法が制定された。

この映画は、1983年のミラノが背景となり、バザリア法により病院から出された患者が就労のための組合を作っているところからはじまる。

組合は、市から仕事を貰っているものの、患者は薬づけにされているため、補助的な仕事しか回ってこない。

そこにやってきたのが組合長のロッソ。組合員会議で、補助的仕事でつまらない仕事を続けるのがいいか、市場の仕事をとり収入を増やすのがいいかを問う。

そしてはじまったのがフローリングの寄せ木貼りの仕事。廃材をパズルのような作品に仕上げることで人気が出て、仕事がどんどん舞い込んでくる。

しかし、

生きにくい人たちを扱った映画でありながら、笑って見られる(差別感を感じないというよりも製作者たちの人間観が明確である)。その笑いが課題を解決する鍵である。

そこには、マイナスをプラスにしながら生きてゆくイタリア人の人生観が垣間見られる。

閉鎖社会の中に押し込めることがいかに人間の可能性を小さくしているかを問うていると同時に、精神病院を閉鎖するという荒療治を生かすためには、常識では考えられない療法をする人(ロッソのような人)が必要なのだろう。

理念ばかりが先行する常識的な社会ではこうはいかない。

個人的には、性に対する明るさが感動的だった。

イタリアではこうした患者の組合が何百とあるという。それぞれの組合が独特の方法で稼いでいるんだろう。

100年に一度の不景気を解決する方法は、ここにあるのかもしれないね。

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コメント

障害者の性と言うテーマであれば、矢張り実話が元の「ナショナル7」と言うイタリア映画が面白かったですよ。
性欲に悩む身体障害者と、その対応に悩む支援スタッフの話です。

投稿: 時任君 | 2009年5月23日 (土曜日) 17:34

こんにちは、性についての奔放さの件ですが、どうもあれは実話をもとにしているらしいですね!
日本でも『セックス・ボランティア』というのが話題になりましたが、ECの助成金でやってしまうとは……^^;という感じでしたね。

投稿: my_you | 2009年5月11日 (月曜日) 22:19

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