法律では、予め犯罪とは何かということを定めている。
それを、構成要件該当性と云うらしい。
つまり、その行為が刑法の条文に該当するかどうかということ。
次に、違法性を検討する。
その行為が、故意であったか、過失であったかを検討する。
構成要件に該当する行為(刑法上の犯罪行為)であっても、実質的に処罰の必要のある行為でなければ犯罪は成立しない。
例えば、刑法35条には、「法令又は正当な業務による行為は、罰しない」とある。
医師による手術がこれに当たる。また、法令に規定がなくても、社会生活上の正当な業務であると認められた行為も処罰されない。
社会常識は時代と共に変わるので、正当という概念も変わることがあると思われるが。
そこで、身体拘束は、刑法の概念では、「逮捕・監禁罪」にあたる行為だと考えられる。
しかし、刑法35条の、その行為が「正当である」とされる場合にのみ、例外的に犯罪にならないといえる。
刑法220条でいう、「逮捕・監禁罪」とは、「不法に人を逮捕し、又は監禁した者は3月以上5年以下の懲に処する」にあたる。
「逮捕・監禁罪」とは、「人の行動の自由ないし身体的移動の自由」を阻害する罪です。
逮捕とは、人の身体に対して、直接的に支配し、その行動の自由を拘束することです。
監禁とは、人が一定の場所から脱出することを不可能、又は著しく困難にし、その行動の自由を拘束することです。
これらは、その方法には制限がない。つまり、結果として制限される場合は、部分的でも全面的でも構成要件になるということです。
身体拘束が正当行為と認められる場合は、「施設は、該当する入所者又は他の入所者の生命又は身体を保持するため緊急やむえない場合を除き、身体拘束その他入所者の行動を制限する行為を行ってはならない」と定めている。
身体拘束ができるのではなく、止む得ない場合以外には「行ってはいけない」という部分が重要です。
違法か、合法かは、のこ正当性が重要になる。しかし、施設の大部分が拘束廃止に取り組み、その成果が出てくる時代になると、身体拘束をすること自体の違法性が高まる。
だから、身体拘束をして利用者に不利益をもたらした場合と、身体拘束をしなったかために不利益を起した場合には、前者のほうがより重い責任を負うことになる。
だから、身体拘束の同意書を取り、期間を決め、モニタリング記録を取り、定期的に見直しをしていたとしても、上記の要件を満たしていない場合には違法となると考えられる。
それに、同意書についても、家族には同意権はないと考えられる。
判断能力が落ちている(ない)人の場合には、成年後見人がその判断をすることになるが、果たして、成年後見人に、身体拘束に同意する権利があるかどうかは難しい判断となる。
つまり、本人の意志を無視して、身体拘束を行うことは、「逮捕・監禁罪」になるというのもうなづける。
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