記憶
新宿を歩いていたら、聞きなれた声がした。
何となく、声のほうに体が動く。
声は、エレベーターを降りて行くので、その声に従った。
そこには、10数年前、同じ職場で働いていた人が立っていた。
「あらまあ、あたし、昨日退職したの」と、突然の再会にも関わらず、職場を辞めた事から話は始まった。
においや音は記憶につながる部分があると聞いたことがある。
確かに、街の騒音の中でも、聞き分けられる声の特徴がある。その声は、街の中に流れていたにも関わらず、僕の記憶をくすぐるように引っ張る力があった。
このシンクロニシティの意味は何だろう。
その日は、インタラクティブ・フォーカシングの本を読んでいた。そして、人の悪口を心の中で言っていた。
あんまり悪いことを考えているので、口をふさぐために、おしゃべりな人を登場させたのだろう。
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