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2008年5月30日 (金曜日)

長生きしている

「風のつめたき桜かな」
文学座 サザンシアター。

戌井市郎演出、平田オリザ作

東京で地震が起きる。何とか生き延びた下町商店街の住民が馴染みの喫茶店に集まり物語が始まる。
中国での大地震が起きた。しかし、海のこちら側の日本は、そんな事はなかったかのように時間が過ぎている。

それが起きたら、もはや今ある日常の全てはなくなってしまうことはわかっている。それでも、明日のことは考えないで生きているのが今の日本だろう。

それが起きた。それでも商店街の住民は、涙を流しながらも、肩寄せあい暮らしている。
しかも、俳句なんかひねったりしてコーヒーを飲んでいる。

平田の言葉は、今ある日常のちょっとそこを曲がったら聞こえてきそうな現実性がある。それだけに、怖さがある。

商店街の住民は、それぞれに困難を抱えている。しかも、生きている。

彼らの力はどこに在るのだろ。

彼らのの多くは老人だ。老人としてのしぶとさがある。何があっても生き抜く強さがある。

彼らの人生は、多分、もうそんなに長くはないだろう。

それまでも、苦労をしてきた人生だった。そして、今も。

舞台の上では、大した事件は起きない。それでいて、震災後の日常の姿が見えるのはどうしてだろう。たぶん、こんな会話が交わされるだろうと平田は分かっているのだろう。

みんないい人である。

それも、あれがあったからかもしれない。

全てを失ったときに、人間の真価が問われる。

失わないと気づかないなんて寂しいが、それが、真実かもしれない。そんなことを感じる芝居だった。

田村さんの人の良さが出ていました。

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