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2008年4月20日 (日曜日)

走ると道は開ける

 バス停で時計を見ながら「もう間に合わない」と困っている女性がいた。困っていることを見知らぬ人に聞こえるように喋っているのに、その声は周りを巻き込む。

 駅から、空港までバスで70分。電車で行っても1時間はかかる。飛行機の時間まで1時間。電車はポイント故障で遅れているので、電車では間に合わない。仕方がなくバスに乗ることにしたらしいが、思った時間に出発しないことが分かり、あわてている。

 空港行きのバスが到着した。

 判ってはいても、運転手に「○時○分には間に合わないですよね」と問いかける。運転手は「無理でしょうね」といい、側にいた、案内人に、「タクシーの方が早く着きますか?」と聞いている。

 なんとも言えないという相手の顔をみて、ぶつぶつ言いながら席に着く。

 他の乗客が乗り込み始めると、女性がそわそわしはじめた。

 荷物を掴み、「タクシーに乗ります」といい、バスを下りてしまい、タクシー乗り場に走り出した。

 間に合うだろうかと乗客は顔を見合わせる。

 ドアが閉まり、バスは走り出した。

 バスが動いたかと思ったら、「シュー」という音とともに、バスが止まりドアが開いた。

 先ほどの女性が「タクシーがいないから、お願いします」と乗り込んできた。だいぶ走ったと見えて、息を切らせている。

 すでに、出発の時間まで1時間を切ってしまっている。

 バスが高速にのると、いつもより速度が早い感じがする。

 運転手が「お客さん、航空会社はどちらです?」と聞いた。道路が空いているので、間に合うのだろうか。静かな車内がざわつく。

 バスは、他の空港行きリムジンを抜き、いつもなら70分かかる所を50分弱で到着。しかも、女性の乗るターミナルに先に着くアナウンスが流れる。

 空港に着き、女性は乗客と運転手に頭を下げると、荷物を担いで走り去った。

 その足は速い。

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