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2008年4月19日 (土曜日)

ぴあの

悩みが重たい時にピアノを「たたく」といいよ、と話した。

ピアノを弾ける人を尊敬し、柔道一直線の近藤正臣みたいに、足の親指だけでピアノを引きたいと、10代の時にピアノ教室に通った。

教室には1年通い、一曲も弾けずに挫折した。

その後、タモリに影響され、「・・風ピアノ曲」という遊びをするようになった。

つまり、自分のイメージする音をピアノで探し、鍵盤を叩くというもの。「中国風」とか「バロック調」とか、「フジコヘミング顔まね」とかね。

曲を弾くのではなく、自分の好きな(心地いい)音やコード(和音)を見つけ、それをテーマに、横のキーをアレンジする。

ポイントは、下手と分からないように、共鳴バーを足で押し続けること。

すると、なんとなく「それらしく」聞こえる。

これは人に聞かせる音楽ではなく、自分で陶酔する音楽だから、気持ちよければそれでいい。

一つのテーマを何十分も叩き続けると頭がボートしてくる。脳みそからナントカ波が出て、ピアノの上を飛び回っているのが見える。

これを「自由律ぴあの」と読んでいる。(僕だけね)

先日、都さん(仮名)に自由律の方法を教えた。

都さんは、若い頃ピアノを習っていた。結婚し、子育てが始まり、子どもの教育、夫の世話、舅の世話と続き、ピアノの蓋は何十年も閉ったままになっている。

子どもは自立し、舅は亡くなり、夫は入院。都さんは一人になり、そして、うつ症となった。

「することがなくて怖い」と都さんはいう。

また、
「時間が私を押しつぶすようで、それでいて、何もできない」とも。

そんな時、自由律のことを話してみた。

ピアノの蓋を開け、音を出した都さん。そんなことができるとは思っていなかった。とにかく、時間をつぶしたいという一念から、仕事のように鍵盤を叩き始めた。

それから、1ヵ月後。

「あれ、やってます」と都さんはいう。

「その時だけは、なんとなく頭が白くなる。その時だけなんですけどね」、と嬉しそうで、それでいて苦しそうな声だった。

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