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2008年2月 8日 (金曜日)

名前は意味を生む

「となり町戦争」と「もがりの森」を見た。

「となり町戦争」

ある日となりの町と戦争状態になり、偵察員の辞令を貰った青年の話。

(原田知代もいい演技をしている)

映画としてはよくできているが、本の方が考えさせられる。それは、戦争というものに対するイメージを与える映像と、イメージだけで勝負する本の違いだろう。

戦争は、今もどこかで起こっている。

知っている人が死なないというだけであり、現実は毎年何十万、何百万の人が死んでいる。

その人を知っているか、見たことがあるか、話したことがあるかで、現実は変わってしまう。

戦争で収監されている人に手紙を書いているおばあちゃんにとっては、戦争は現実のものであり、生活の一部になる。

映画で一番怖い場面は、新聞に戦死者が載っているところ。

銃声も爆撃もない日常で、戦死者が出るというのは本当に怖い。

「もがりの森」

タルコスキーの「ゾーン」を想す映画。

老人は森を徘徊する。

その目的は何であるかを考える必要はない。

徘徊することに意味があり、歩き回り疲れて佇む場所が求めていた場所。

そこに行くには、それなりの時間とカーブが必要で、夜と朝が、男と女の存在が必要。

どうしても老人に、人生の意味を求めようとする。

老人がそれを求めるというより、老人になりかけの人が求めるようなところがある。

老人もそれに応えようと無理する傾向がある。

老人は、それまでの人生を生きてきた。

それだけで意味があったのだから、あらためて意味を見つけなくてもいいんじゃないかと思う。

生きてきたという意味がね。

先日裁判所で調査官が老人に聞いた。

「お名前は?」

すると、老人は

「そんなことどうでもいいじゃありませんか。自分で自分の名前なんか言うことありませんよ」と。

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