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2007年10月14日 (日曜日)

じゅげむ

手押し車を買った幸子さんは嬉しそうじゃない。
娘が電話をしたら、やっぱり使っていなかった。
「あんなに欲しがっていなのに、どうして使わないの」
つい、責めるように言ってしまう。
「だってね」とぼそぼそ話し始めた幸子さん。
「スーパーに行っても、それを中まで持っていけないだろう。中に入れたら邪魔だし、買い物籠を持ったら歩けないし、どうしたらいいか考えたら心配になってね」という。
「外に置いたらいいじゃない。みんなそうしているよ」というと、
「でも、外に置いたら取られたら困るじゃないか」という。
取る人なんかいないだろうと思ったが、言うのはよした。
どうせ、又別の言い訳が始まるだけだから。

幸子さんは益々何もしない生活になった。できないのではなく、しないのだ。
気がつくと、横になっている。
また、気がつくと食事をしていない。

どうしたらいいのか。
もうどうしようもないくらい、どうにもならなくならないと、ないも変わらないのか。
それとも、もう変わらないでいいと思えるように回りが気にしなくなればいいのか。
呪文のような言葉だけが並ぶ。

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