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2007年6月26日 (火曜日)

先週に続き、別役実の世界、「数字で書かれた物語-『死なう團(だん)』顛末(てんまつ)記-」を信濃町文学座アトリエに見に出かけた。

どうして死ななければならないのかもわからないまま、ただ、行きがかりで「死んでしまった」人たちの物語のように感じた。

赤い風船が人から人へ飛んでいく。

その人たちには名前がない。名前がないから存在さえもないようなもの。

ただ、同じ場所にいるという事実だけがある。

それだけでいいのだろう。それ以上に何も求めるものはないのだろう。

「そんなことは言っていないわよ」と、女がいう。

「じゃあどんなことをいったんだ」と、男がいう。

「どんなって、あなたが思うようなことじゃないことは確かよ」と女。

「おれが、何を考えているのかがわかるのか」男。

「わかるわけないじゃない」女

「じゃあ、やっぱり俺が思っていたことと同じじゃないか」

「それって、やっぱり、私のこと、あれするってこと」女

「そんな、あれじゃないよ」男

「じゃあ、どんなあれよ」女

話は決して終わらない。

まるで、数字を永遠に数えるように続く。

そして、必ず最後は「死」で終わる。

今朝方、夢を見た。

母親が死に、葬式の夢だった。

白黒の幕が風に揺れ、みんながニコニコと笑っている。

とっても安らかな気持ちだった。

そして、目が覚めた。

アトリエの椅子に座ったら、白黒の幕が目の前に飛び込んできた。

そう、この幕を今朝も見た。

この先、夢の人々はどこへ行くのだろう。

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