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2007年5月16日 (水曜日)

買い物は疲れる

施設で暮らす被後見人の美子さん(仮名。どうしても昔の名前しか思いつかない)とデパートに行った。
僕が行くのを待っていたようで、車椅子に座り、お出かけの用意はすでに整っていた。
「はよ、行きましょ」と催促され、美子さんを助手席に抱き上げる。すこし重くなった身体を抱き上げると眩暈がする。立位が取れない美子さんは、助手席に座っても全く動かないので、奥に押し込む。
デパートの駐車場に着き、今度は、一度足を床に付いてもらい、ズボンの後ろを持ち上げるように車椅子に移乗する。今度は上手くいった。
まずは、婦人服売り場に向かう。
自分の母親の洋服を買ったこともないので、「お願いします」と、店員を呼ぶ。現われた店員は、「自分の母親が90で、先日田舎に介護に行って来た」と話し始める気さくな女性。店内は空いているので、もう一人の店員も現われ、4人で話をしながらブラウスを選ぶ。
いつもは、財布の紐をしっかり押さえている美子さんだが、気に入った高価なブラウスを着せてもらうと、脱ごうとしない。「ほんとに、よくお似合いです」といわれ、その気になり、「顔の感じからこの色が似合っているよ」と、僕もコメントを付け加えた。
買ったブラウスを着て、優しい店員に「さよなら」をいい、別の階に向かう。
こうなったら、帽子も買おうと、いい気分で車椅子を押す。
再び店員を呼び、「どれが似合いますかね」と相談する。相談されると、俄然張り切る店員が、色々な帽子を持ってきてくれる。着せ替え人形のように、次からつぎに頭の上に帽子がのり、鏡を見ては「これは大きいわ」、「これは色が悪い」と、いいたいことをいう美子さん。
結局、最後に被った帽子に落ちつき、これを被って店内を移動。
そして、本日のメインの靴売り場に向かう。
足が浮腫み変形しているので、左右の大きさが違う美子さん。普通の靴では入らない。施設で靴のカタログを見ているだけでは気に入らないので自分の目で見て、履いてみたいというのが今回の買い物の目的。
係りの人が何足も履かせてくれるが今ひとつ足に合わない。最後に出された室内シューズが気に入り、これも履いて行くことにする。
足の先から、頭の先まですっかり着替えた美子さんが「お菓子が欲しい」というので、地下一階の食品売り場に向かう。お土産と自分用のアンコを買い、やっと車に戻る。
いつの間にか、3時間。施設に着くと、ニコニコしている美子さんの隣りの僕はぐったり。
「また、連れてってね」と言われ。
「はい、ご主人様」と返事をした。

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