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2007年5月19日 (土曜日)

美しい夏キリシマ

美しい夏キリシマを観た。
九州、夏。1945年。空が青く、雲が白い。
15歳の少年(康夫)の物語。
康夫は、友人を救えなかった。そのことが、どうしても忘れられない。友人の妹に許しを請うために何度も屋根に上る。(妹は、屋根にのぼり、日常から離れて、キリシマを見ている)
友人は聖書を読んでいた。そこには、キリストが人々の為に死んで復活したことが書かれている。
康夫は死のうと穴を掘り、死ぬまねをする。「もし、僕が死ねば何かが起こるかもしれない」と叫ぶが、康夫には何も起きないことは分かっていた。何も起きないからこそ、「ころせ」と連呼する。
一方、康夫は病気と称して学徒動員にも参加せず、無駄な一日を過ごしている。
康夫は、結局なにもしない生き方を選んでいる。戦争も、友人の死も、両親と暮らせないことも全て自分以外のせいにしている。
康夫の姿は、日本の姿なんじゃないだろうかと思った。そして、僕自身の15歳と重なる。
明日がくれば何かが変わるだろうか。戦争が終われば世界が変わるだろうか。
60年前も今も、何も変わらないし、そして、毎日変わっている。
キリシマは変わらず、いつもの姿でそこにあるのに、それを見ている康夫はどんどん変わっている。しかし、そのことには気づかない。
僕自身、15歳だったのが昨日のように思えるのに、今日起きたら、こんなに髪が薄くなっている。

浦島太郎の気分。

僕の前に座ってお茶を飲んでいるのが乙姫様だろうか?

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