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2007年4月 6日 (金曜日)

白い足

左足の薬指と中指の間が化膿して小さな豆状のしこりができた。
ホントに小さなシコリなのにうまく歩けない。左足だけ左側に曲げて歩き、小指に力が掛からないように歩くから疲れる。
身体の中の忘れられているような部分が一番大事だというが、本当にそう思う。
これで、両肩が上がらないのに加え、左足の指まで痛みのため可動域制限がある状態となった。
病院に行き、先生に向かって足向けてしまった。先生は、僕の足を大事そうに扱ってくれた。先生だからいいものの、大の大人にじっくりと足を触られる体験というものは初めてで緊張する。
人に足を向けるといえば、ある人を思い出す。名前を「ゆり一」という。
彼女は僕の同僚だった。
いつも部屋を暗くして一人で煙草を吸っていた。
声をかけると「なにか用」と、低い声が返ってくる。暗闇の向こうで小さな火が点滅し、ドスの効いた声がすると、気の小さい僕は震えてしまう。
その声に負けないように、「だからあれだけどどうする?」と質問する。
すると百合一は、その白いキレイな足の裏を僕の方に見せながら、その足を伸ばしてくる。
それは、「だまってろ」というサインだ。

そんなことを分からないうちは、足に水虫でもあるのかと心配した。

足を戻すと、ゆり一は煙草を深く吸い込んでおもむろに立ち上がり、ちいさく「しょうがないね-」とつぶやいて部屋を出て行く。
僕は、ゆり一の痕をとぼとぼとついていく。
今も、白い足を見ると、ゆり一を思い出して震えてしまう。

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