« ブラバン | トップページ | 回転すると目が回る »

2007年3月25日 (日曜日)

ことば

昨年の日本社会福祉士会全国大会記念講演、柳田邦夫氏の「いのちを支える言葉」を読んだ。
柳田氏の著書は、「サクリファイス」、「続・サクリファイス」、「ガン回廊の朝」、「死の医学への日記」、「生きる言葉、生きる力」と読んできた。
氏は、書くことや泣くことは、精神的な整理に繋がると言っている。
このブログにしても、書くことでどれだけ救われているか分からない。
氏の話には様々な医師が登場する。
僕にも医師の言葉によって救われた体験がある。
それは、中学1年の夏休みだったか。
夜になると怖い夢を見るようになった。大きな渦巻きが夢に現われ、それが、どんどん大きくなり、僕を飲み込もうとする。余りに怖くて夜中に目を覚ます。夢だったと安心しても、再び寝付くと同じ夢を見る。
それから、寝ることが怖くなり、昼間も何かに飲み込まれそうな気分になった。
次第に精神的に不安定になり、誰かがトイレで死んでいるという妄想に襲われるようになった。
自分で自分がコントロール出来なくなり親に病院へ連れて行かれた。
多分精神科だったんだろうと思う。
鍵が掛かったドアの向こうには下を向いてふらふら歩く患者がいた。「ああ、僕もドアの向こう側に行くんだろう」という確信をもった。
数分、待合室で待つうちに看護婦さんに呼ばれて診察室に入った。
先生の前の椅子に座り、どんなに恐ろしい夢を見たか、不安で寝ることも出来ないことを一生懸命、先生に分かってもらいたくて話した。
先生は、黙って聞いていて何も言わない。
僕の話を聞き終わると、「ぼくにも、そういうことはあるよ」といった。
確かにそう聞こえた。
それから何かを話したかもしれないが全く覚えていない。記憶に残っているのは、先生の「ぼくもそういうことがある」という言葉だけだった。
薬も貰わず家に帰ってきた。
しかし、その日からぐっすりと眠ることが出来た。
その言葉に救われた。

|

« ブラバン | トップページ | 回転すると目が回る »

あいまいの知」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/160222/14399706

この記事へのトラックバック一覧です: ことば:

« ブラバン | トップページ | 回転すると目が回る »