プレゼント
人からプレゼントを貰うのは恥ずかしい。あげるのもはずかしい。
妻から花をもらった。
「何か悪いことをしたかな」という気分になった。全く素直でない。
普段されていないことがあると、悪い予感がする。たまに美味しい料理を食べてお腹をこわすようなもの。
プレゼントをするのも、何をあげようか考えている時が一番うれしい。渡すのは苦手だ。
最初にプレゼントをしたのは小学生の低学年の時だった。
母親の誕生日にエプロンを買った。
店員に、「お母さんへプレゼント?」と聞かれ、赤くなった。何も言わなかったが、プレゼントように包装してくれた。
それを持ち帰り、すぐに押入れに隠した。渡すまでに日があったのと、渡すのが恥ずかしかったからだろう。しかし、そのまま渡せずに誕生日が過ぎた。
過ぎてしまうと、プレゼントを買ったことさえ忘れて遊びまわっていた。
ある日学校から帰ってきたら、押入れが開いていた。汗が出た。
母に呼ばれた。「あんたこれ知っている」と聞かれた。
次ぎの瞬間涙がでた。どうして泣いているのか分からないが「僕が悪かった。許してくれ」という気分で泣いていた。
それからというもの、人から分不相応なものを貰うと泣きたくなる。
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