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2006年10月23日 (月曜日)

必要なものはやってくる

鞄が欲しいと思っていた。

どうしても気に入った鞄ばかり使うので、擦り切れてしまった。

インナーを2回交換し、金具を1回交換した。

書類が沢山入る鞄がほしいと思っていたら、「鞄をあげる」と言われた。

秋が深まり、コートが欲しいと思っていた。

ショートコートが欲しいなと思っていた。去年着ていたコートは、5年は着ている。そしたら、コートが郵便で送られてきた。

お金も欲しいと思っている。仕事も欲しいと思っている。

しかし、お金や仕事は送られてこない。

トルストイの民話に、「人はどれくらいの土地が必要か」(そんなタイトルの)という話がある。

ある人が、土地をやると言われた。明日、陽が出てから、陽が沈むまで歩いた所の土地をやろうと言われた。

その男は妻を連れ、日が出ると歩き始める。荒地を四角く歩くことで、大きな土地を貰おうとした。

午前中はまっすぐに、それから、左に90度曲がり、またまっすぐに。さらに、90度左に曲がりまっすぐに歩いた。

それだけで、相当な土地が手に入った。

ふと、空を見上げると、太陽が西の空に沈みそうだ。あと少しで、土地が手に入ると出発地点に急いで駆け込んだ。心臓が爆発しそうに高鳴った。

太陽が沈む前に着くことができた男は、その時、心臓麻痺で亡くなってしまった。

妻は、その男のために墓を掘り埋葬した。

という話。

つまり、人は、墓に入るだけの土地があればいいということか。

必要なものはやってくるが、必要でないものは来ない。

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