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2006年7月 1日 (土曜日)

自己分化

「人間は、誰しも自分の幸福を求めて他者に全面的に依存する世界にいる。依存の大半は、主たる世話人に向けられるが、通常、乳幼児の母親がそれに当たる。乳幼児は母親との完全な融合状態、あるいは共生状態で人生を開始する。母親と乳児の両者は互いにかなり自動的に応じるので、共生は自然発生的な過程、すなわち人の進化の遺産と考えるとができる」

ボーエンの「家族評価」を読んでいる。

ボーエンの家族システムズ論では、乳児が母親から分化するときに、情動が「本能に根ざした生命力(分化あるいは個体性)の存在により、発達した子どもが自分で考え、感じ、行動する能力を備え、情動的に分離した個になるように促す生命力をもつ」と考えている。

僕の解釈では、甘えたいのに、社会的に自立しなければならない。そうした、、情動の分化が個の中に内在するばかりでなく、家族の中で起こっている。むしろ、家族のあり方(力動)により様々な関係が勃発していると考えているのだろう。

ボーエンは、完全な分化を「自分の家族に対する情動的愛着を十分に解決した人に見られる。この人は、自己を十分に発達させており、必要であれば常に集団の中の個であり続けることができるという意味から、完全な情動的成熟に達していると言える。この人は自分に責任を持ち、他者の無責任を助長したり。それに参画することもない」という。

日本語として分かりずらいが、母親から完全に独立し、他者に全く依存しない人なんて、僕は全く魅力のない人に思える。

イタリヤ人が「ママ、ママ」なんて言っているのを見て、アメリカ人としては自立していないイタ○と思っているんだろう。

この後で、自己分化の低い人は、パニックになったときに、理性を働かせる前に、情動的に反応するという「思考と感情を区別する能力がない」と云っている所などは、全く僕に当てはまる。

しかし、日本の家族システム(そんなものがあるのか)を考えた場合、依存関係がうまくいったいたように感じる。

家族、親戚は仲間であり、広げると、地域社会や日本という国家も仲間だと考えている。家族というその中で起こった問題は、家族の中で解決することが当たり前であり、相互依存関係により何らかの解決策がとられてきた。それを、第三者としての他人(相談員などの仲間以外の人)に相談したときに、そのバランスが崩れるといえないだろうか。

アメリカで精神分析や顧問弁護士が繁盛しているのは、社会全体が他人の集まりであるから、自分の仲間に入れようと相談を持ちかけるという。他人とどれだけ違うか、どれだけ個性的であるかを問題にするのは、自立しないと生きていけない社会であるからだと言える。

村上春樹が妻を紹介するとき、「それで、奥さんは何をなさっていますか」と必ず聞かれて困ったと書いていた。社会的にどんな役割を持って生きているかを問題にする社会は、曖昧な「主婦」という存在を認めない。

しかし、アメリカの言う自立や社会貢献・ボランティアは、自分の社会のための奉仕であり、自分達の価値観を維持するためじゃないかと最近のアメリカを見て思う。

ニートが問題になっているが、日本の社会(家族といってもいい)が抱えている性質に、依存的なものがあり、自立という価値観でみると何もしていない人と見えるが、ニート的おじさん・おばさんはアジアでは当たり前の存在だった。

僕は、多くのアジアの実情を知らないが、家に寄生して生活している人たちが沢山いる。お金がある家には、親戚が集まってきて生活している。集団として家族チームが生活できれば、働く人がいる一方、何もしない人ができる。(何もしないというより、それなりの家族機能の一端を担っている場合がおおい)

家族に生活できる経済力があれば、そこに寄生する人々が増えることは、アジア的日本社会では当たり前ではないだろうか。

むしろ、自立できない人々の問題を家族の外の人が考えるとき、問題が複雑化する。

寄生していた人々は、その家が貧しくなると、いつの間にか姿を消す。どこに行ったのか。問題はその人が、そして社会が吸収してしまう。

だいぶ話が逸れました。

曖昧のまま、問題を解決しないまま、そのまま受け止めようとするする力がアジアにはあるような気がする。

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