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2006年1月 3日 (火曜日)

ハインリッヒの話

若い王様の話によると、ある日、悪い魔女の魔法にかけられ蛙にされ、泉に投げ込まれたということでした。醜い蛙の姿にされ、泉から救い出してくれたのは、お姫さまだけだったのです。

 

若い王様の国から迎えの馬車が来ました。馬車の後ろには忠義者のハインリッヒが立っています。忠義者のハインリッヒは、ご主人が蛙に変えられた時、それはそれは悲しみました。その悲しみのあまり、自分の胸が張り裂けそうだったので、胸に3本の鉄の輪をはめました。

 馬車がしばらく走ると、後ろからパチンと大きな音がしました。大きな音に驚いた王様は、ハインリッヒに聞きました。

「馬車が壊れるぞ」

 すると、ハインリッヒが答えました。

「馬車ではありません。あれは拙者の胸の輪が切れる音です。王様が蛙になったとき、泉に沈んでいったとき、悲しみに嘆いてはめた、拙者の胸輪がはじける音です」

ハインリヒの話

 ハインリッヒは、突然自分が信じるものを失いました。目の前から消えたのです。それは、突然両親を失った子どもの様です。

 こどもたちがそうするように、信じるものを失った事は、自分が原因だと思うのです。だから、自らの身体に鉄の輪を巻いたのです。

 鉄の輪は自分を縛ると同時に、自分が爆発することを助けてくれるお守りでもありました。

 ハインリッヒは、ご主人さまに会えて幸せでしたが、鉄の輪が取れることへの不安を感じました。

 それから、鉄の輪がしてくれたような、自分を守ってくれるものを探し始めました。

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